夢ばかり見ていた
チアーヌ

暑いのに起きられない
体から噴出す汗で
寝巻きもベッドも布団も
何もかもびしょびしょ
電話が鳴っても
知らない
チャイムが鳴っても
知らない
そんな
一人の部屋で

夜も昼も
朝も夕も
眠り続ける
枕もとの
水だけが生命線
ペットボトルに
口をつけて
ひたすら飲む
何もいらない
何も欲しくない
わたしを誘惑したもの
すべて壊れた後
蝉の声が
蟋蟀の声に変わっても
そしてまた朝が来ても
ベッドが腐って
布団がカビて
わたしに蛆が湧くまで
わたしは
夢ばかり見ていた


自由詩 夢ばかり見ていた Copyright チアーヌ 2005-08-09 21:03:04
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