Luciferised One
木立 悟
罪は飛び
向こう岸にとどく
目に触れる雪と
流れに鎖がれた女たちに涙する
川と海は光にまみれ
浪に応えるけだものから
地に降りることのない鳥が生まれる
かがやく氷の道の
かがやきの源もわからぬまま
冬は消えていこうとする
光のなかに居られぬ光の子が
枯草の原に立ち
夜の雲を見つめている
高く吹く双つの風が
やがて地に降り 草を揺らす
影の兄弟の幼い翼が
歌のように 穂のように
原に立つ光に呼びかける
自由詩
Luciferised One
Copyright
木立 悟
2005-08-09 13:12:07