思わず叫んだ「ざまぁみろ」
虹村 凌

昨日、俺はちっとも可愛くない女の子とセックスをした。
全然可愛くない。痩せてもいない。むしろ俺より太い。
昔は水泳で日本代表予選まで行ったとか行かないとか。
そんな話を聞きながら、パスタを食っていた。
ニ時間前に納豆飯をニ杯も喰って、既に満腹なのだが喰った。

別に彼女の事を好きだとは思わない。
惚れてもいない。お互いにお互いを好きだと言った事も無い。
真っ黒なバラの花弁で直立不動な真っ昼間。
愛の呪文も唱えずに、俺達はセックスをした。
愛なんか無くても、勃つモンは勃つし、射精るモンは射精る。
したいモンはしたい。そろそろ限界だったしな。

俺のボーダーラインを遙かに下回る彼女でも、俺は抱いた。
どれだけ限界だったかを伺い知る事が出来る。俺も愚かだ。

帰りに一人でパチンコ屋に行った。一人で打つのは初めてだ。
どっかで聞きかじった、「角台が良い」なんて話を思い出して売った。
千円で三萬壱千円勝った。ヤクルトが美味しかった。
帰ったら巨人がヤクルトに負けてた。あんだけ金があっても勝てない人たちだ。
悲壮感すら漂う野球を見ていた。ざまぁみろ、と思った。

CMになってから、テレビ欄を見ると、サッカーをやっていた。
この前、北朝鮮に負けたクソ野郎共だ。
もし韓国に勝ったら、この前の恥ずべき敗北をチャラにしてやろう。
そしたら勝った。結構ギリギリなシュートだったけど、勝った。
叫んだ。
「ざまぁみろ!」

俺は相変わらず韓国が嫌いだ。
韓国人や韓国政府、中国人や中国政府が嫌いだ。
でも中国人のヘルス嬢や韓国人のヘルス嬢は可愛い。
スタイルがいい。整形でもかまわない。可愛いんだもの。
韓流も嫌いだ。そろそろ以前ほどの勢いが無くなったが、いまだ健在だ。
何でこんなに嫌いなんだろう。印象悪い奴らが多かった所為かな。
見てきた事や聞いた事が悪かったんかもな。
それが全部嘘だったら、以外と面白いかもしれない。

コンビニで新聞を納品しながら、盗み読みをする。
郵政民営化でもめている国会。結局は否決されて解散しちまった。
バカだと思う。今の時勢で考えて、世襲制っておかしいだろう。
(俺の情報が間違ってなければ世襲制だ。間違ってる可能性は凄く高い。)

ちなみに、俺は間違いを指摘されて逆上したりしない人間だと俺は思ってるが、
結構逆上したりする。でも大丈夫だ、今回は逆上しない。

何故に反対するのかが不明だ。
そんな事の為に首吊って死ぬヤツも頭オカシイと思ってる。
民営化がそんなに悪なのか。税金を垂れ流すようにしゃぶるてめぇらこそ悪だろうが。
俺はそう思っている。
テレビを見ながら思う。
見えない銃があるのなら、片っ端からこいつ等を殺している、と。
解散なんて出来る筈が無い、と大口を叩いていたクソ議員。
ざまぁみろ。
俺は思った。クソくらえだ。
日本は更に出遅れた。クソったれた。駄目になった。

俺はボーダーラインを下げて適当な女とセックスをした。
顔なんか見て無かった。色んな美人を頭の中で描いた。
イケた自分に驚いた。そんなモンなんかもな。
俺は駄目になった。以前ほど、堅い情熱も無い。
この先、俺は何をして生きていくのか検討も付いてない。
戦場カメラマンなんかになってるかも知れない。
案外、地雷踏んでも生きてたりしそうだ。嘘だ。
ただ、俺は知らない事が多すぎるし、見てない事が多すぎる。
そんな処に出向くのも、いいかも知れないと思っている。
イイ女を抱けそうにも無い場所で、案外イイ女を抱いているかも知れない。

ここでは無い何処か。
今ではない何時か。
相変わらず、俺は煙草を吸ってるに違いない。
そして、相変わらず韓国を好きになれずにいるだろう。
なによりも、女のボーダーラインを下げ続けているかもしれない。
女であればなんでもイイってヤツになってるかも知れない。

ざまぁみろ。
俺の大嫌いな野郎の声が聞こえてくる。
ざまぁみろ。
俺は言い返す。
今度は、可愛い女の子とセックスがしたい。


散文(批評随筆小説等) 思わず叫んだ「ざまぁみろ」 Copyright 虹村 凌 2005-08-08 21:54:27
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
自由人の狂想曲