@4 墓標
貴水 水海

悲しげな横顔を今も思い出す

雨の日も晴れの日も


切なくて

悲しくて

愛しくて

届かない


想い出は

もう

葬ってしまおう

墓標は白いユリの花


ふと見上げた夜空に

寂しげな横顔を見た


苦しくて

触れたくて

会いたくて

叶わなくて


想い出があっても

人は生きる

墓標をいくつも守りながら


時計の針を戻しても

あの頃には帰れない

砂時計の砂を散らしても

あの時には戻らない


ならば

もう

葬ってしまおう

墓標は白いユリの花


自由詩 @4 墓標 Copyright 貴水 水海 2005-08-06 23:25:32
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