結晶、解体、残骸。そして
紫音

言葉の裏と表を引っぺがしてそれぞれを感情と混ぜてミキサーにかける
出来上がったものを呑み込んでしまったところで、
言葉の裏から出来上がったもの
表から出来上がったもの
それぞれに裏も表もあって
一言で言えばそれはとても気持ち悪い
アップタウンとダウンタウンが入り交じった混沌とした街並のように
無機質と有機質が融合して混合して結合して結晶化する
昼と夜の境のように異次元の空を血に染めて
言葉を解体しようと足掻き続ける
それは真実を追究しようとする研究者の情熱に似て
通り抜ける門が初めからない路
思想と劣情の狭間から産まれ出る言葉の塊が
やがて声になり、文字になり
それは叫びになり詩になり
幻の魂に付着して
進むべき道標も歩むべき足さえもない死に絶えた言葉
その躯の影から染み拡がる醜い生の証
叩きつけた言葉の残骸から這い出てくる
それをまた表と裏に分解して
ミキサーにかけて詩を紡いでいく


自由詩 結晶、解体、残骸。そして Copyright 紫音 2005-08-06 00:08:09
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