渇き
蒼木りん

触れることも触れられることも
拒んでいた手
そんなことすら
忘れてしまった手を不意に繋ぐ
温かさ

そんな空想が
思考の隙間に挟まって
消え

誰も
何も知らない私を
存在させる

この風景に溶け込んでいたのに
まだ
新鮮な愛に似たものが
欲しいのだろうかと
胸の渇きぐあいを確かめる



未詩・独白 渇き Copyright 蒼木りん 2005-08-04 23:38:12
notebook Home 戻る