三華遠 ・ 雪羽
木立 悟




白い波
濁る波
沈みかけた町からきた鳥
海から川へと流れこむ夜
星を噴く船
波に呑まれてゆく船



なまぬるい風
雷光の蝶
月の光の顔をした
羽毛と追放の鳥
未明の青にさらされ
質問者の上を舞う
天使と孔雀の交合あいだの子



答えではなく
問いを責める時が来て
光を映すものすべてから
翼はあふれあふれて
触れたいものに触れ
抱きたいものを抱いてもなお独りのもの
生も死も独りきりのものに
ふりかかる
孔雀をつつむ天使のように
ふりかかる







自由詩 三華遠 ・ 雪羽 Copyright 木立 悟 2005-08-03 07:23:11
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
三華遠季節