ノート(夜火)
木立 悟



雑音の雲の子守歌
雪を蹴り 光る
雪を蹴り 光る
凍ることのない遠い音


夜には優しい二本の手首
朝には見えない起伏を照らす
起伏のひとつであるわたし
片方の目の涙であるわたし


光を揺らし
葉を降らし
空に帰る詩
土に還る詩


消え去ることを受け入れながら
ひろげた腕に上下する火を
見つめることを越え見つめつづける
かわるがわる片目を閉じながら





未詩・独白 ノート(夜火) Copyright 木立 悟 2003-12-17 22:51:16
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