明るい月が出ていた
みい

あなたを駅まで送る途中
あまりに寒すぎて
顔をあげて夜の色をのぞいて
ふうわ と白い息を吐く
さっき飲み込んだあなたのこども
寒い夜の空の中へ、それきり
あたしのこどもにはならなかったの
ばいばい

あなたが
横顔もきれいだねえ、と言って
静かに。ふざけんな、と思うと
いとも簡単にまたあたしが濁った
だけど
だきあってる間だけなら
本当にきれいにうつるかもしれないから
髪もぼさぼさのままで
見て欲しいと思う
そしたら頭を撫でて欲しい
静かに。ふざけんな、と思いながら

あなたが
上に乗っても重たくなくて
苦しくもなくて、むしろ気持ちいいことが
運命だと思ううちは
かみさま、
男だからなんて言わないで


未詩・独白 明るい月が出ていた Copyright みい 2003-12-16 23:58:50
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