見たこともないさよならが
八月のさかな

見たこともないさよならを
毎日つぶやいているうちに
つめたいそれは温度をもって
かわいたそれは潤いを増して
かなしみに包まれたフィルターを
たぷたぷと揺らしながら
ぼくを爆破した

見たこともないさよならと
見たこともない焼け焦げたぼく

らせんを描くように
ゆっくり、ゆっくりまわって

そうしていつかまた出会う
いつかまた
さよならを言うために


自由詩 見たこともないさよならが Copyright 八月のさかな 2005-07-25 03:37:24
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