UNDER THE SKIN
恋月 ぴの

私たち、ひとりひとりの皮膚の下には
優しい血が流れていて
涙もろい心が
静かに鼓動を繰り返している。
だけど、たった一枚の薄い皮膚が
鋼鉄の鎧のように
優しい血
涙もろい心を
その冷たさのうちに覆い隠してしまう。

何故だろう 
街行く人たちは皆、無機質な顔をしている。
この皮膚さえなければ
この鎧を捨て去れば
通い合う
心と心 
私たち、ひとりひとりの心が通い合う。

私たち、ひとりひとりが皮膚を捨て去るなら
果てしなく続く争いに苦しむ
飽く事を知らず餓えに苦しむ
この世界中の野原一杯に
きっと美しい花が咲いてくれる。

私たち、ひとりひとりの皮膚の下には
美しい花の種が潜んでいて
芽吹く瞬間を待っている。

私たちが皮膚を捨て去る瞬間を待っている



この詩は、たりぽんさんの「この皮膚がなければ 」への返詩です。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=43619


自由詩 UNDER THE SKIN Copyright 恋月 ぴの 2005-07-24 02:49:02
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