私たち、ひとりひとりの皮膚の下には
優しい血が流れていて
涙もろい心が
静かに鼓動を繰り返している。
だけど、たった一枚の薄い皮膚が
鋼鉄の鎧のように
優しい血
涙もろい心を
その冷たさのうちに覆い隠してしまう。
何故だろう
街行く人たちは皆、無機質な顔をしている。
この皮膚さえなければ
この鎧を捨て去れば
通い合う
心と心
私たち、ひとりひとりの心が通い合う。
私たち、ひとりひとりが皮膚を捨て去るなら
果てしなく続く争いに苦しむ
飽く事を知らず餓えに苦しむ
この世界中の野原一杯に
きっと美しい花が咲いてくれる。
私たち、ひとりひとりの皮膚の下には
美しい花の種が潜んでいて
芽吹く瞬間を待っている。
私たちが皮膚を捨て去る瞬間を待っている
この詩は、たりぽんさんの「この皮膚がなければ 」への返詩です。
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