未成 の 現在
ななひと

剥がれ落ちる 皮膚 遠ざかる 体温 見せかけ の 鼓動 かき寄せて 広がる 波形 織りなして 記憶 と 決別 する 共振 降り注ぐ 大気 凍る 光景 溶かし 混ざり合ってゆく 触れ合い の 皮質 と さかまきに 揺れる 神経 の 襞 水に 沈めて 放心 する 無垢 な 筆跡 乱雑 に 子宮 に 線 を 引く ささやき たどり 重なる 口まね 照り返す 存在 の 残り香 ひとりで に 戻る 場所 に 残る 残響 鼓膜 に 触れる 指紋 許される ならば 同時 に 振り返る 表情 の ない ためらい 寄せ返す ことば では ない 音 聞き流す 虚ろ な 重なり は ときに 輪郭 結んで 揺れ 落ち込んで ゆく。
人 の かたち を した 感情 の 舞い落ちる 地面 不毛 な 起伏 を 流れる 失語 滞留 する 写像 の 重なり 声 沈む 肌 に ひそむ 息吹 重なる 波紋 意味 の とれぬ 文字 結び 傷ついて いく 子宮 こだま して 離れ 去る。
そこに いない 記憶 の 斑点 すくむ 感性 そうまでして 残らぬ 性別 の ない 声紋 は 砂丘 なぞり 向こうへ 向こうへ と 押し流されて ゆく。



自由詩 未成 の 現在 Copyright ななひと 2003-07-04 03:18:50
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