メロンの時間
umineko

実家から、何の脈絡もなくメロンが届く。どうもよくわからない。ま、自分の行動も脈絡がないので、おそらく血筋なんだろう。

最近のメロンは、取説付きだ。通販の組み立て家具みたい。メロンの歴史。匂いの秘密。そして、食べごろ。

余計なお世話、とも思わなくもないが、食べごろの日付が指定してある。ま、そうかもね。せっかくの高級果物だ。果実の王者、メロン。おいしく食べる義務があります。

時間と共に甘くなる。鳥たちを誘うため。

時間と共に甘くなる。やわらかく崩れていく。

出逢いにもたぶん、賞味期限があって。甘く崩れるタイミングがあって。そこがうまくかみ合わないと、歯ごたえだけが残ったり、する。

どんな化学反応も。どんなに愛おしい距離も。少しだけ時間が欲しいのだ。そこは見極めるべきだった。メロンを少し、うらやむ。

ま、いっか。崩れてバラバラになって。くれてやるのも悪くないよね。

たとえば、詩に。
 
 
 



自由詩 メロンの時間 Copyright umineko 2005-07-15 09:27:47
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