揚羽蝶
ベンジャミン

七月の窓辺

夏色の羽をはばたかせて
揚羽蝶がひとり
庭に迷い込んできました

羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように

ゆらりと抱いた風をふくらませて
陽をあおぐ花びらの
ほどけたひとひらのように

小さなからだをふるわせながら
また会いましょうと
つかの間の季節を楽しむように

大きく手をふっていました
    


自由詩 揚羽蝶 Copyright ベンジャミン 2005-07-13 01:44:44
notebook Home 戻る