目ざめている
青色銀河団

[目ざめている]

朝からずっと
手のひらを見つめる
遠くのほうで
蛙が鳴いている







[祖父]

耳が遠くなった祖父は
海に似てきた
くりかえし
くりかえし
穏やかな日々








[眼差し]

八月の光りに
ひかるきみの眼は
街の暗がりの木箱の隅で
小さく震える猫の眼
しんと
ぼくを見つめ返す
たとえ
広大な空に
蒼い影がきらびやかに
過ぎ去ろうとも








[お散歩]

きみはお散歩
一匹の猫と
三匹の兎と
九匹のへびを
引き連れて







未詩・独白 目ざめている Copyright 青色銀河団 2003-12-12 01:07:30
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