siranai
tonpekep

あなたはわたしの何もかもを知らないし
わたしはあなたの何もかもを知らない
それでいいと思う

それでいいと思ったら
夏の柔らかい部分では
雨の方で都合をつけて
わたしとあなたを
水たまりにする

そこに集まってくる花たちは
わたしとあなたを
これから語ろうとするために
根を潤したりするけれど
上手に語ることが出来ずにいる

けれどもわたしの約束は
あなたの全てを知っている
あなたは
わたしの約束を覚えている

水面を削ぐように
夏の風が
わたしとあなたの
思い出を飛ばし続けている

あなたはわたしの何もかもを知らないし
わたしはあなたの何もかもを知らない
それでいいと思う


自由詩 siranai Copyright tonpekep 2005-07-12 20:29:41
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