ターン
霜天

ここにあるものを
遠いことのように
海辺にはひとりで
いつも見る夢に
ひれ伏すようにして
倒れる
砂の積もっていく音
どこかから落とされる音

仰向けに空
口を開ければ世界が
飛び込んでくる青空
迷うことも出来ない
ここから明日は真っ直ぐで
どうもがいても空は
仰向けのその先の


ターン
行き詰まる重なりの
息を止めた約束は
折り返すことも忘れて
何処までも走ろうとする
ターン
手のひらと手のひらで
弾くようにして
勢いよく


そこで、ターン
帰らずに
踏み込む砂浜の
凝縮される音
海に今日が落ちても
戻ってくる波の側
宙に浮いたさよならは
弾け続ける泡の向こう
今日から明日のその際で
いつまでも沈まずに


ただ、ひとり


自由詩 ターン Copyright 霜天 2005-07-10 01:51:45
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