嫉妬の黄色
蜜 花


わたし

椿の紅のビロウドのような

柔らかさに触れたくて



はなびらに少し

指先を這わせただけでした



椿は 紅を舞わせて地へと落ち

華の美しさを 下卑たものに変え



惹かれた紅はただ、ただ

色を失って

黄色が 黄色が 黄色が

燃えるように ねめつける



わたしはそれが恐ろしく

靴を脱いで逃げたのでした



自由詩 嫉妬の黄色 Copyright 蜜 花 2005-07-09 23:58:10
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