狂った夕立
プテラノドン

自転車のかごに乗っていた子供の瞳はこうだ。―見てはいないが、映している。
映されていた、天使は、大人になるための訓練をしていた。それというのも
見過ごす事で、無疵のまんま成長したがる人間がたくさんいたから。
天使だからといって、頭をひっぱたけば泣きはするが、それもいつかは
泣き真似となる?もしかして、―もう、すでに?
もちろん 試すつもりなら、ゼウスからの(法律も規則もこれにはかなわない)
手痛い仕返しを覚悟しなくちゃならない。でも、
別の子供だったら話は違う。奴等、神々ときたら、
自分の子供だけを可愛がる。ときとして、その振る舞いは
゛人間以上に人間じみていて、誰が神だか分らなくなる゛―黄昏の
一方、離れた所では、二人のガキが帰り道の途中で
すれ違う女の人を見ては「あの人が俺かお前の姉ちゃんだったら」とか言ったりして、
毎度のことのように興奮している。偶然であれ、
彼女に微笑みかけられるもんなら大変!化膿するまで、恋に齧りつくのだから
しけた顔して髭を撫でる、例の老人達はそんなことに無関心。
はなかっら喜ぶべき偶然なんてありゃしないのだから。ね、せいぜい
もうすぐそこまで来ている、雷雲のボリュームを上げるだけだ。
ガキ共の黄色い声が聞こえない位に。だけどそれさえ、僕等には
喜ぶべき偶然になるってことを知っているのかな。


自由詩 狂った夕立 Copyright プテラノドン 2005-07-08 04:22:29
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