*砕け散る*
かおる

今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく

しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘さが過去を叩き
そぎ落としていく憂いはどこに積っていくのだろう

青葉はそれでも溶けださず
雨の繭からかすめ取り
深く緑を濃くしていく

ひとみで煌めくキラキラの童心で
バシャバシャと踏み砕けばよかったのか

立ち尽くし 覗き込む水たまり
その淀んだ鏡に映し込んだものを
車の引き裂いていく硬質な音がリエゾン
線香花火の音と重なりユニゾン
空のかなたのホライゾン

まだまだ 繭は降り続く

ため息吐息夢の後
眠りの裾を翻し
そして儚く消えていく


自由詩 *砕け散る* Copyright かおる 2005-07-05 08:08:19
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