千羽鶴
ベンジャミン

入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子はあわてて

羽は広げちゃいけないのと
わたしの手を押さえつけながら

だって飛んでいってしまうじゃないのと
とても悲しそうに

その羽をたたみました

わたしは
折り方を知っていても
祈り方を忘れていたのだと

いまにも飛び立ちそうな
その
うすい羽を

両手のひらで
やさしく押さえてあげました
 


自由詩 千羽鶴 Copyright ベンジャミン 2005-07-03 07:22:01縦
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