永遠に氷
本木はじめ




エジプトに眠る少年少女らの夢であるかもこの世のすべて



着物から覗くあなたの白い脚 幽体離脱の感覚を知る





水色の街へと渡る鉄橋の錆びた思い出ながれゆく河





かつて人柱に選ばれたきみを救い出す為にぼくは永遠に氷を食べ続ける






夏風にあなたの帽子飛ばされて今も追い駆け続けてる僕



天空の城で苔むすロボットと小鳥のようにねむれこの恋


一輪も花の咲かない森のなか歩く蕾という名の少女



手探りでつかむリモコン間違えて押したのでしょう天気雨です


きっとかみさまはいない、かみさまじゃないひとがいる バイバイ





空中にテーブル浮かべ食事する今日のお部屋の壁紙は青





いつの日かぼくらふたりで飲むはずのココ耶子ひとつ実る南国




ぼくのいない世界にきみがいるのなら傘もささずにたたずむ校庭


高速で行き交う光にみとれつつそろそろ道路の真ん中へゆく






憂鬱と曖昧だけを抱きしめて崖の上から飛んでみますね







きみのいない世界に生まれたことにする探し疲れたいいわけとして





短歌 永遠に氷 Copyright 本木はじめ 2005-07-01 00:51:28
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