微々たるアオ
A道化






遠い飛行機のような音を立てる
夜の、曇天
その鳴動、鳴動、鳴動、
大気は夜を続けるも
わたしは仰向けの形、ひっそりと静まり返り
暗く目を開けるだけで
何かを促す性能はなく


アオ、と
微かな息で発音したらばその息の示す色から朝が始まる、などと
信じて何になる、何をも促さず何をも妨げずただ仰向けの形をとっていれば
どうせ朝は来る、何かを促すことも妨げることも出来ずただ、アオ、と
微々たる息吐くわたしにも
結局はどうせ
朝が来る


遠い
遠い飛行機のような音を立てる
夜の、曇天
その鳴動へ、暗く目を開く
わたしは仰向けの形、ひっそりと静まり返り
微々たる、アオ、を大気に吐く
それだけの性能で充分だった



2005.6.30.


自由詩 微々たるアオ Copyright A道化 2005-06-30 05:31:01
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