夢のかたち
大覚アキラ

土曜の夜も日曜の朝も眠り続けていたい
ああ
屠殺場の温もりが懐かしい
そうだ
夜なのだ!
おれは急いで貧弱な骨格を羽織り
生暖かい闇の中へ陥ちてゆく
色情狂のフォルムをまとった女どもが
ありとあらゆる獣を演じる
おれは
まるで甦ったアラビア数字の7のように
自らの欲望を反芻した

それも結構だ
湿気を帯びた声が聞こえないか
おれは両手に泥を掴み
悪魔の塑像を飾りたてる
アスピリンくれ!
激怒する異星の狂人
所詮は下手な画家だろう
おまえは自分の城に篭ればいいのだ
色の無いナイフも
時には最高の殺人の道具になる
なんだなんだなんだ!
答えが欲しければまず問いを用意しろ
おれは
高い山の頂きに片足で立って
喉から血を吹くぐらいに大声で叫んでやる
ハメやがったなこの売女め!
闇の色が周囲から忍び寄る
無口な盲目の老人が
数え切れない夜を塗り潰す
X婦人の声で目を覚ますと
そこは
とある廃屋である
ハメやがったなこの売女め!
おれは夢中で窓辺に駆け寄る
ああ!
朝になってしまった!
汚らわしい朝を塗り潰してしまえ
魚たちの叫びに耳を塞がれくたばる朝
見ろ!
真夜中の太陽が恐怖に眼を見開く
おれは
泥人形のように朽ち果てる




自由詩 夢のかたち Copyright 大覚アキラ 2005-06-26 22:17:56
notebook Home 戻る  過去 未来