ささやく 鼓動
砂木



いじわるな 雨
知らずに傘を 忘れて
舗道を 行く

少し 寒いのも
寄り添う 薄い 雲に
心 写して

宿る 屋根
捜しながらも
走らない

身体の熱が
冷たい粒の奥で
鼓動を 繰り返す

覚えているつもりで
見た事のない
はじめての 眩暈

うわべを すべる
営みの 近く

いったり きたり
すがる とまどい

しっとりとした 風が
目に 触れる

かばいだて するつもりは ないけど
だいじょうぶ かい?

雨音に 閉ざされて
宿る 空日に


自由詩 ささやく 鼓動 Copyright 砂木 2005-06-10 00:55:03
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