夜明け
プテラノドン
夜明けの風にほどかれた
雲の帯をたぐるように
よぶように手を伸ばす
朝日 そのへりにそって歩くぼくを
路地の無音のスピーカーが振り向かせる
民家の中 ただひとり
あのひとが嘲っている
日は昇り 夜気のはう
瓦はしだいに光をおびてくる
滑り台の背中で寝ていた猫が一匹
にゃあと鳴き
のどにつかえていた
おはようと
まどろむ朝のあいだ
時間はまだ平だった
自由詩
夜明け
Copyright
プテラノドン
2005-06-09 04:51:46