花と涙
木立 悟




春の花ほつれゆくまま雨模様



現し世のなべて二重の涙かな



雨の舌双つの蝶を行き来する



手のなかに生まれ滅びる己かな



留めおく術も失くした涙雨



けだものよ振り返り見し月の出よ



左目が右目を閉ざす涙かな



平仮名があなたの鼓動ひとつ花






俳句 花と涙 Copyright 木立 悟 2005-06-08 01:30:59
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