夏の日(III)
tonpekep
ぼくは歌わなければならない
風をひとつ折って その先で
記憶する 読むことのできない詩集の中で
ぼくは歌わなければならない
花と恐竜の足跡を辿れば
やがてぼくらは海の波のひとつであることに気づくように
ぼくは歌わなければならない
恋人の滴り落ちてゆくその下に
果実をひとつ置いて
ぼくはきっと歌わなければならない方角を
捜さなければならない
千年の雲の行方を捜し続ける旅人のように
自由詩
夏の日(III)
Copyright
tonpekep
2005-06-07 20:55:04