なにもかんがえなくても
心臓が打つように
こうしてすごすのが
あたりまえになっていた

息を吸えとか、酵素を出せとか
痛点からの刺激に反応しろとか
具体的に生きなくったって
生きてゆけるさ

そんな当たり前のことは
脳みそには興味がないみたい

ぼっと
第一砂丘列をながめていたらね
風景と
網膜への刺激の
どちらが本当なんだろうなんて

きっとそれは
僕が思う君と
本当の君が
違うように
世界が僕にやさしいだけなんだろうな

君も僕もみんな
いのちというプリズムで
干渉や屈折や反射した
素粒子の物理現象

そうやって
いつか
みんな
ぼうっとあかい
いろだけになるんだね