夜の自転車
チアーヌ


知らない住宅街を
自転車で走っていたら
なんだか怖くて
気がついたら
みんなが家の前に座っていて
ああ困ったな
困ったな
そう思いながら
わたしはペダルをこぎ続けて
前から
照らされると
正しいことしてるからって
いばるんじゃねえよ
なんて
思って
わたしの自転車はライトが壊れているから
灯りのない住宅街は
夜風を切って走れる
家の前に座り続ける人を
見ないように
見ないように
わたしは家に帰る


自由詩 夜の自転車 Copyright チアーヌ 2005-06-06 13:41:24
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