ショパンの調べに聴こえたら
紫音

雨音がショパンの調べに聴こえたら
もう頭が足になって
無軌道に駆けまわる

黒鍵の数だけ言葉を投げ出し
白鍵の数だけ吐息を飲み込む

あれは白じゃなくて乳白色なのかも

踊ってるのは仔犬ではなく
マジックミラーの自意識


捉えているのは旋律
明後日に向いた解釈の戦慄

意思を穿つのはショパンの調べ
石を穿つのはショーペンハウエルの呟き


そう

「精神は偽善に包まれている」


自由詩 ショパンの調べに聴こえたら Copyright 紫音 2005-06-05 02:23:20
notebook Home 戻る  過去 未来