蒼の季節
落合朱美

読み止しの本のページに蒼といふ字をころがせば梅雨の来たりぬ

カフェで待つ我を嘲笑いしストリートただいたづらに人の行き交ふ

雨音がやけに心に響く夜 広すぎる部屋頼りなき我

泣かぬ空みあげて百のうらみごとアガパンサスに聞かせし小昼

哀しみは蒼き流れの奥底に身をひそめしのち悪意に変わる


短歌 蒼の季節 Copyright 落合朱美 2005-06-04 15:14:04
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