パズルピース
りつ

ふと目が覚めた

午前2時48分の沈黙は雄弁だった
部屋がいつもより広い
1万ピースのパズルを
引っくり返したみたいに
寂しいが散らばっている

布団からはみ出した
肩が寒い
暖めてくれるひともいない
ひとりを笑う
水を飲もうとして
寂しいを踏んだ足裏は
チクリと痛み
思いがけずに
一歩をためらう

自由と孤独はワンセット

人生は片道切符の特攻だし
目隠しして綱渡りをしているようなもの
見えない方が
知らない方が
気づかない方が
幸せなことは山ほどあって
見えないフリは
得意になった

落っこちている
寂しいを包む沈黙を
1個拾って食べてみる

ほんのりしょっぱく
流さない涙の味がした


自由詩 パズルピース Copyright りつ 2025-12-11 03:18:11
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