カオルの音   もっぷ
エヴァル-ジュ

梅雨明けて天井青き病床の思い出の空眩いばかり

ご苦労様言えず今日も取りに行き筆名沁みる水曜朝刊

エプロンの空色想う亡き父の得意料理はビーフステーキ

何事も悲しみばかりの日々の中夏空の雲眩いばかり


父さんの命とともに遠のいた助手席はいいナビはダメなの

夢を切る不意に母さん思い出す意味知らぬあなたを思い描く夜

闘病の辛さあなたに決められてあなたを嫌いに足りてる

誰の影も後ろにいない人の世を夏の夕暮れ今だけ隠せ

私は残酷かもしれぬといいし人を思い浮かべつつミステリー読む

夏の夜に『冬の風』なる動画聴き眠れなくなるという『癒し系』

雪国では海にも雪が降るだろうと思いつつ涼む今日は七月

夏至を過ぎ心に秋の風が吹く秋が終われば命日が来る

東京の下町の路地で俯く日我が靴は得ず蹴る為の石

いっそもうワープロと辞書で暮らしたいそう思わせる今日の文明

(空がない)気づいてしまった東京の下町の路地で息をしている

夢を一つ今日また手放し歩む道手放すほどに荷が嵩をます

支払いに追われ追われる月末が重すぎる日々に週給の夢

(その人)荷択することを決めたのは理性で花k生活疲れ

東京の下町の道を歩けども蹴っ飛ばす為の石塊が無い

幸せはちっとも平等ではなくて投稿欄の家族愛達

吉野家の普通の牛丼食べたいな駅の向こうが遠い病床

自分だけついてないとは思わないでもついてないことは本当

夢じゃなくてに掴みたいいつかの日決して来ないそのいつかの日

落日のように過ぎ行く火計の朝を迎えて今日も雨降り

良いことがあっtた時だけ歌を読むわけでは無いから許してほしい

『パトラッシュ』口に転がし言ってみたい私だけを見る命が欲しい

この町は路傍の石にもことかいてでも雑草は手を振っている

空からの雨は優しく落ちて来る人の一言より優しく

まだ朝にその日の終わりは見ていないでも訪れるどう過ごそうと

死のとこのような気のするお昼寝のとこの隣の電波時計

(3・11リアルタイムで聴いた日の『娘が』『母が』我が身の残る

マイナーな気持ちの時には筆箱を閉じてノートも隠してしまう

ンアにモカもうまく行かないよ渡りに疲れた明日旨い珈琲

鏡見て条件反射で微笑んで何してんのかなついてない日に

運の泣さ笑うしか無い日もあって福の神様笑ってますよ

ため息をついて新聞たたむ朝飲むと決めてるコーヒーがある

星占い覗く自分が情けないけど神頼みするような朝
俯く日なぜかさくさく読んでいる運良く1首が歩き始める








短歌 カオルの音   もっぷ Copyright エヴァル-ジュ 2025-11-05 20:35:04
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