しょうめいたん
あらい
大文字になって寝かされ、倒れるように横たわるも
煤けたランプが瞬いている 肉を刻む出口は遠い
開始を告げるアラームもまた鉄骨のした
あかりが 途切れない という 身を 投げて 死ぬ
ハンドルを握りしめ 照明や歓声はあつい幕をへだて
積みあげられた汗は泡だち 鉄柵のよう失奏する
支えよう ゆっくりと吸い込み、ヒグラシがきれる音
潮がひくように空間を描け ゆかり とどかない拍手と
ヨレヨレになった天鵞絨のうらて
襟をぬうように唇をかいがいしく撫で
あけ濡れたレインコートの裾 水がしたたる
すこし外した幻想として立ちあげられる
命令をきかない、駄馬の柱
おもに濁化した ささくれの肌理
陽光、眠らないから 楽譜をめぐる
キーボードに零れたコーヒーは乾かない
群れに 阻まれる 目は、濁っている
行く手とは、鼻歌だろうか
止まりそうになるまで、代わりに触れているブーケ
腐った、軍手を脱いだ掌は割れ、香りを含んだ口から
しろくたいらくなり、すっと頭から消えていく私
出まかせを吐く。演目は トレモロをあやつる
スポットライトがひとり、ひそやかな寝息をきかせるも
袖口に追いやられた生き物 のびためろでぃが溶け
光り。かがろうとする。虫が材木に巣食うように
咳払いひとつなぐ。暗転:軍靴ひとつが、強めます
ざわめく余白は海にあずける 打ち捨てた漁村の小屋
轡が食い込み、吐き気がして、せせこましい波にゆだねて
かちり、誰かが息を呑み かすかな尾をおっていくこと
ゆるり、唇が動いて 動きにぶい眠気を、瀑布のよう浴び
蝋燭の腰をおり曲げたアパートの敷居はしづみ
壁にもたれた浅瀬を、昏々と滾々と、まどかに預けて
またどこかで上演するサーカスは攫われた喝采
土の床は湿り気を帯び、藁も汚れきっていて
畳の上に域を、針ほどの理由にまた、片付けても
流れを堰きとめて 擦れた背景板
その隣に、人が腰をおろす
背を丸めたまま、肩が広がっては途絶える
身じろぎすら リズムとなり
倒れかけた表紙に禽獣と近づくと
死んだようになって
立ち尽くしている ともしびが差し替える
ボタンの飛ぶ不規則なアケビの伴奏
吹き溜まりで火花が さき揺れる油膜と蹄
またこだまする かすかに耳によぎる
檻の影で眦をあげる人形のように
ここで私を抜け出し、見苦しそうに寝返りを打つ
浅い川に漂う。すなわち落ちてくる眩暈、勝手に軋む
ぽたり、ぽたり、泥を抱え、風が溢れていく
やわこいソファーのしぐさ。点滅、点滅、
歩く前はかがみ、イメージを振り払っては継ぎ足す
うすい縞を描くデスクで。腹を濡らし。口許も締まりなく
拭えない耳を支配する まだ体温を失わない 幻の舞台
ただ黙って。では頷き合う。それさえ、しかたないことがら