呪われた宝石
atsuchan69
青く発光する塊が、
美しい水で鎮められる
影のない真昼、
明るい夢の瓦礫から
神々の失敗のかけらを拾う
穢れた土を、
いくども水で洗い流す
その水がふたたび海へ還る
被爆した白い息、
忠実なロボットたちが今日も作業する
彼らの動力も、原子力だ
どこか遠い海の底、
海溝に横たわる
朽ちた潜水艦のように
反応炉の宝石も、
底へ 底へと沈んだ
それでも、崩壊熱によって
災厄の塊が脆くなっていること
さらにメルトスルーした地獄の輝きは
錆びた機械のはらわたに溜まっていること
そして残骸の取り出し作業が
けして不可能でないこともわかった
粉じんの飛散という
新たなリスクが加わったが、
つよい輻射でも影響を受けにくい
長いケーブルに繋がれた
単純操作の巨大なアームが幾機も参加し、
建屋も遮蔽ドームで覆われた
取り出すのに、数十年
取り出した欠片を固めるのに、数十年
埋める場所を決めて作るのに、数十年‥‥。
たかがバス一台分の、未来の破片だ