鞭打ち驢馬の寓話
泡沫の僕

あの日見たミミズは
申年生まれの彗星で、
とんがり帽子を被せたら、
まん丸靴下が落っこちた。
頭としっぽを結んだら、
クネクネ浮かんでそらへ行こう。
――『ミミズの宇宙船』より(絵本・未刊)

語りたがらない言葉は、
艶を失い、疲弊して老いた馬車馬だった。
俺はヒヒンと嘶くそいつを鞭打ち、
無理矢理彼方此方を駆け廻らせた。
挙句、そいつを乗り潰して途方に暮れる。
俺は鞍を背負ったロバだった。


自由詩 鞭打ち驢馬の寓話 Copyright 泡沫の僕 2025-10-31 23:24:17
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