戻りいく意識の朝に
ひだかたけし
早朝に起きれば外は曇天、
慢性的な肉身の痛み蘇り
己、胡座かき背筋伸ばし
ゆっくりゆくり瞑目すれば
意識の視界の次第に明るみ 、
遂に今のいよいよ
黄金に充たされ
煌めき溢れ返る先に
伸びる伸びる打刻の光帯、
自身に秘められた莫大な力動
卑小微弱な今の己に鳴り響き
惑乱され支配されつつ
ふと気付けば浮かび来る
裏光りする無数の草葉、
内なる心の鞘に包まれ
さやさや揺れて囁きかけ
巻いて巻いて蕾膨らませ
花々咲き開き萎み枯れ、
また巻いて巻いて
蕾膨らまさせては
無常なる物を司る如く
濃密に筋走る紫の気色
ぷわーっと未来から
過去へ向け吹き抜けて
内へ内へ入って生きながら
外なる世界と内なる世界の
結び目を探る折の落ち窪み
押し拡げられ叩き付けられ
裂け目ぱっくり開き持続し
肉身の己の苦を忘れさせ
ぽっと浮かび上がる
巨大なる光球 、
視界遥か向こうから輝いて
意識の私の只々圧倒され
想わず眼を開き 見入り安らぐ、
青き透空 打ち寄せる秋