坂村真民「念ずれば花開く」について
杉原詠二(黒髪)

坂村真民の詩に、「念ずれば花開く」というのがある。
はじめは、そういう題名の詩を自分でも書いてみようかと思ったが、
それでは益体もないので、随想を述べてみることにする。

念ずるということは、心に思うこと、願うことであり、
自分で相手などに願って働きかけた場合、それが相手に通じて、
行動や言葉、態度として花が開くということである。

誰からも思われず、無視されて、孤独に生きる人は花が咲かない。
精神の花が咲くのであり、肉体にそれが伴う。
花は嬉しくて咲くのであり、人から念じられれば嬉しいというわけである。
心が通じず、精神が離れていく場合もある。
それは、肉体の身振りが足りていないか、言葉が足りないからだ。
マナーに則らなければ、コミュニケーションは成り立たない。

また、花が開いて、実がつくかどうかは、ミツバチの働きにかかっている。
つまり、縁による。
念ずることは因であり、花が咲くことが果である。
実がつくことも、果である。


散文(批評随筆小説等) 坂村真民「念ずれば花開く」について Copyright 杉原詠二(黒髪) 2025-08-06 13:32:00
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