涼しい秋の夢
りつ

真夏のさなか
もう風は
一足先の
秋の空気を
連れて来ている

赤トンボが
悠々と飛び
稲穂は実りに
お辞儀して
浅い夜に
涼やかな虫の
声を聴く

鈴虫の独唱
リイィィンと
ひときわ美しく
響き渡り
秋の夜長に
盃を重ねる

ほろ酔いて
うたた寝し
目覚めてみれば

熱気の滾る
真夏の夜の夢


思わず
苦笑い


自由詩 涼しい秋の夢 Copyright りつ 2025-07-30 04:47:56
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