薄い風景
ryinx

こんなにも遠くの土地の

バスの停留所で

傘をさしていた


 ゆめのなか


ノイズのなかの風景の

砕けたアスファルトから


視える空は

雨粒に浸透して


まるで 落ち窪んだ眼窩から

引き抜いたピアスを絡めとる


モニターの

砂嵐にさらわれる

低体温症の

蒼い室内に


 部屋干しされたシャツの

 揺れる


破かれたブラウン管と

壊れたソファに

   
 まるで白いままの

 猫の骨と

 転がる寝息の

 吹きつけられた

 麻布に横たわる


窓辺には、

いまでも

小さく発光する

空の青い酒瓶は

そこに

置かれたまま


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自由詩 薄い風景 Copyright ryinx 2025-07-21 19:18:35
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