日日草
洗貝新


都会にポッカリと空き地
照らすのは日の出から
カンカンぎりぎりと草原に
射し込めてこの爽やかさ
今日という日の 日日草
翳りだけ待たされて
鼻先につん!とくる
風は明日を感じさせない
袖に染み付いた
あなたの匂いも吹き消され
   遊び人だよね

始発の電車を待っている
陽炎(かげろう)に酔う
澄み覚める空
夏はもう近い
思いきり息を吸い込めば
待たされるのも苦にはしない
上り線から通勤電車が
下り線からすきま風に
 しょぼつく目線
何も持たない
背中を押されて







自由詩 日日草 Copyright 洗貝新 2025-06-05 06:04:39
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