とべない 鳥のために
砂木




街の上で
朝を 投げている

小さな 丸い 飛沫が
きらきら ころがりながら
あふれかえる

夜よ
よき 友人よ

くりひろげられる
問いの多くを 吸い取り
泣きながら 抱いてくれる

朝もやに立ち尽くす時
昼に ひとりぼっちの時

ひとひらの羽
心の夜 の羽

空へ やさしく 誘いながら

人になっても 人になれなくても
ひとりにしないよ と

朝を 投げてくれる

夜よ
よき 友人よ

土に ころがる 骸のために

 


自由詩 とべない 鳥のために Copyright 砂木 2005-05-28 02:34:16
notebook Home 戻る