詩想、スカーレット 魂の強度
ひだかたけし
ひとしずく また ひとしずく
ごとに消えていく から
滲み入り沸き立つ想い
もう底の其処まで底から此処まで
この喪失の想いを何処で識ったのか
失われていく時間と
対峙を強いられ露わになった
孤独と云う甘やか孤立を拒否スル崇高な聖域
裸電球の薄暗い照明の許、
父親も母親も寝入り動かず
硬直した冷たき死体物体と化し
ごろんと転がり ごろりごとん
直進する時の震え凍り付き
ふっと真夜中に目覚め覚醒した幼子、
自らを支えてくれるものなど何一つ無いのだと
じっと眼を見開きながらすっと認め識る。
かなしみのみちみちて
いったいどこから君の
染み渡り来るのか
孤独と云う聖域
この崇高な響き
あゝ君の僕に至り来る
内なる内にて鳴る自然
単なる僕の私以上のワタシ
掴めない けれど、
感覚を心を超えたこの魂の震え
降り積もり降り積もりし
うっすらしっかり残響刻み
透き通る哀しみ満ち充ちて
この肉身のどんどん年老い使い尽くされ
ゆき やがて雪降るこの街に それでも
後に残し去れないものが在る
哀しみを感傷にすり替えらず変えられずに
ただそれだけを抱き染み渡らせ
住み息し生きてすきとほる
スカーレット!
あの戦慄に貫かれた時の割れ裂ける瞬間ノ感覚、
何度でもこの私と云う人存在に到来しまた蘇り
暗黒の渦巻きから澄み渡る大空へ
澄み渡る大空から暗黒の渦巻きへ
そう、行き来し跳躍し魔と魔の狭間に、留まる
何度でも何度でも 根源境域の断崖に立ち
、
私は私自身を詩想創造する最中にのみ存在すると。