日々の響き
ひだかたけし
今朝はとても冷えるから
立ち食いそば屋に立ち寄って
月見でもしながら喰い温ったまり
そろそろ そろそろと出掛けるか
(お婆さんの雨傘が
眼前でとても低く揺れて居る
顔は傾き僅かに覗き
僕は横目に追い越して)
さて出掛けるか
僕の内なる光球が
プラットフォームの軒先から
落ちる雨滴と共に囁いて
一雫ごとにすぅうと膨らみ
輝き増す間もなく落ちてゆく
雨滴と共に囁いて
出掛けるか 今日も 、また
出掛けるか 巳の内なる光球へ
雫と共に僕も呟いて
一雫のいのち
無理し過ぎず急がずに
精一杯に生き抜いて
宵の明星が優しく憧れに輝く頃 、
寝床に帰れば今日もまた
顔は傾き肉身もぐっしょりびしょ濡れだ