アトラス
みぎめ ひだりめ

それは夜
さざめく宇宙の 真ん中で
おれは命の小ささに 顔をしかめる

川の流れが おれの鼓動を押し流す
風の息吹が おれの呼吸を運ぶ

草木はおれに 踏みしめられながら
おれよりも ずっと長い命を
その身に湛えていた

おれは おれの命よりも重たい
なにかを背負って 立っていた

夜はまだ 明けない
焚き火は おれの罪を
飲み込みはしなかったが
おれの冷たさを食らって
眠ってしまった

遠くで 星が見える
青い火が 恐ろしいほど
はっきりと そこで燃えていた


自由詩 アトラス Copyright みぎめ ひだりめ 2024-11-19 19:50:01
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