黒いランドセル
アラガイs


木枯らしが街に吹き込んで来て

にぎやかなイルミネーションの饗宴がはじまる

厚着をした早歩きに急ぐ人々のそばを

黄色い大きなランドセルの集団が跳ねまわる

日暮れには

        忙しなく走り去る車に気をつけて

交差点で立ち止まっていた

 消えた小さな背を

手のひらに引かれた子供が思わず指をさす
 
  あ!黒いランドセルだ!

無言の携帯と

若いサラリーマンの集団が列に群れ

微笑む父親の眼には赤い点滅青い点滅が

口を塞いでいても冷たい風は飛び込んでくる

明るい夜空暗い霜月

振り返るニュースも活気を帯びてきて

                   だまされないぞ

あの日僕の小さなランドセル

サンタがひっくり返えれば

もう師走は近い



※ 











自由詩 黒いランドセル Copyright アラガイs 2024-11-19 17:26:34
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