黒いランドセル
アラガイs
木枯らしが街に吹き込んで来て
にぎやかなイルミネーションの饗宴がはじまる
厚着をした早歩きに急ぐ人々のそばを
黄色い大きなランドセルの集団が跳ねまわる
日暮れには
忙しなく走り去る車に気をつけて
交差点で立ち止まっていた
消えた小さな背を
手のひらに引かれた子供が思わず指をさす
あ!黒いランドセルだ!
無言の携帯と
若いサラリーマンの集団が列に群れ
微笑む父親の眼には赤い点滅青い点滅が
口を塞いでいても冷たい風は飛び込んでくる
明るい夜空暗い霜月
振り返るニュースも活気を帯びてきて
だまされないぞ
あの日僕の小さなランドセル
サンタがひっくり返えれば
もう師走は近い
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