詩想、昨朝から今朝に駆けて
ひだかたけし
昨朝にガラス戸開けベランダに出た瞬間に
見事な白鷺が自分のすぐ向かい横を羽ばたき過ぎ、
昨夜にガラス戸開け夜空を見上げた瞬間に
見事な満月の流れゆく灰の雲間から姿を現し、
両者の到来に 純白白銀の輝き広がり在りて
瞑目し不断意識に 純白白銀の輝き広がり在りて
外から射し入り来る光と
内から射し放ち来る光と
出逢い合一し点火される接面の触発力に
自己意識〈私は存在スル〉の燃え立ち在り
あゝこの同時瞬間・朝に夜に出来スル事態 、
創造スル巨大な存在の配慮ヒントと捉える他私には無く
そうして、一夜明け
そのお人好しの呑気な顔は何なんだよ?!
鏡を見入りながら今朝の自分に問う、
眼をカッと見開けば狼の牙が迫って来る
あゝ俺の内に飼い慣らした筈の破壊スル恐怖 、
悪夢の仕切り壁が内から外へ幾重にも拡がり
機関銃を構え無数の小人達が、
脱出しようとして自分らしき人々のうっすらとした影
仕切り壁をよじり昇り越えようとする度に
一斉に銃弾を撃ち放ち皆殺しにされてしまい、
また次なる壁が現れては越えようとして撃ち殺され
繰り返し繰り返す繰り返す繰り返し
うっすら明るい灰白の世界の内に閉じ込められ 、
⚪ ⚫
宇宙が付与し宇宙へと孵す
自己感情以上の自己意識、
誰か漆黒の淵から
奇跡の蘇生を貸与された事の意味を識るために
何度も何度でも
今のこの人生の始まり終わり始まり
この肉体の滅びる日迄
、
創造本性と破壊本性との狭間に居る
この私の唯一の武器とは、
平面因果律超えたこの世界宇宙チャンスに
完璧に自らを委ね開くこと 、
只々それだけ なのです。