煩悩
りつ

彼女は
最初から飢えていた

赤裸々に本能的に
男が欲しかった

肢体にも媚態にも自信があった

毎日の風呂上がり
念入りに乳房は豊かか
腹は引っ込んでいるか
隅から隅まで確認するのが日課だった

寂しい夜
少し酔っ払って
独り寝のベットで

気が付けば
女の密やかな場所に手が伸びる
指で朱く色付いた花を
開かせながら
昔の男を思い出す

 最後に逞しい男の身体に貫かれたのはいつだっただろう

喘ぎ声を手で噛み殺し
また再び男を迎え入れたいと
煩悩を燃やす


自由詩 煩悩 Copyright りつ 2024-11-13 21:23:38
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